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◆◆ 加藤直之・浜松いきツーリング フォトレポート000【予告】 ◆◆
今回は加藤直之部長が故郷の静岡県浜松へのロングツーリングに挑戦しました。
とは言っても、東京の杉並から浜松までは距離にして290キロ。
部長の脚力では、一日で走りきるのはとても無理。
そこで2回に分けて走ることになりました。
初回は5月18日の日曜日。
杉並から南西方向へテキトーに道を探しながら小田急線の新松田駅まで。
約80キロのサイクリングでした。
帰路は新松田から電車で帰ってきました。
なぜ新松田駅を選んだかというと。
じつは過去に何回か自転車をバラしたり組み立てたり、多少の土地勘があるところだったからです。
そしていよいよ5月27日の火曜日に浜松へ向けて出発。
予定ではスタート地点の新松田まで電車を使うことになっていましたが、走行中の撮影のために伴走車がつくことになったので(松永部員が運転する)、どうせなら車で行ってしまえ、と自転車を畳んで積み込み、撮影担当の加藤みゆきと3人で新松田まで。
東名高速は、そして車での移動も、直之・みゆきは久しぶりでありました。
はたして直之部長は無事に浜松に到着するのか?
乞うご期待!!
●●● もくじ(全97回) ●●●
東京杉並(01〜)
東名高速(02-03)
新松田駅(04〜)
246 号(06〜)
山北駅 (08〜)
恐怖のトンネル通過 (10〜)
246から県道へ (13〜)
足柄街道 (19-26)
御殿場駅前 (27〜)
裾野市の長い下り坂 (30-35)
裏道を西へ (36-43)
千本松原 (44〜)
富士市 (49〜)
富士川橋 (51-56)
富士川駅 (57〜)
由比 (59〜)
太平洋岸自転車道 (60-69)
駿河健康ランド (70〜)
清水駅 (73〜)
静岡 (75〜)
宇津之谷トンネル (78-80)
島田駅 (83)
大井川 (84〜)
金谷 (86)
菊川 (87〜)
掛川駅の北 (89)
袋井 (90〜)
天竜川 (95〜)
到着 (97【最終回】)
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◆◆ 加藤直之・浜松いきツーリング フォトレポート001 ◆◆
ぴ。ぴ。ぴ。
目覚まし時計が鳴ったのは午前4時。
撮影担当の妻はもう起きていた。
冷蔵庫から氷を出して複数のステンレス製水筒にカランカランとつめている。
その盛大な音を聞きながら顔を洗いトイレに入る。
まいどのことだが早起きをすると「大」は出てくれない。
食欲もない。
身体がまだ目覚めていないのだ。
いつもは午前9時ごろに起きるから、5時間も早いことになる。
バナナを一本口に入れ、途中で食べるために菓子パンをひとつバッグに入れる。
5時10分前。
徒歩で自転車を置いている僕の仕事場のあるビルに向かう。
松永部員はすでに到着していた。
さっそく自転車を外に出し、車輪を外して車に詰め込んだ。
動かないようにマジックテープで各部を固定する。
今回は、モデルの僕、撮影担当の妻、そしてドライバーの松永部員の3人が車に乗っていくから、自転車の収納スペースはけっして広くない。
なんとかバッグやヘルメットも一緒に押し込んで準備完了である。
出発前の記念撮影だ。
むかって左がドライバー(車の持ち主でもある)の松永部員、右が僕。
天気予報によれば昼には暑くなるらしいが、この時点ではかなり肌寒い。
服装は幹線道路でも目立つように、ユニクロの安売りで買った真っ赤なドライ素材のシャツ。
下もユニクロで買った半ズボンだ。
自転車専用のウェアに単色は少ないし、真っ赤なものもなかなか発売されないから、色のバリエーションが多いユニクロ製品はなかなか便利なのだ。
予定通り5時に出発する。
東名高速に乗るために環状八号線を南下する。
出かけた直後はまだ車も少なかったが、だんだんトラックが増えてくる。
最後には囲まれてしまった。
自転車でスタートして最初に走る国道246号はトラックも多く、けっこう怖いという情報もある。
不安が増す。
(つづく)
◆◆ 加藤直之・浜松いきツーリング フォトレポート002 ◆◆
思ったほど時間はかからずに東名高速に入ることができた。
自転車を趣味にするようになってから車を持つのはやめたから、東名も久しぶりである。
カーナビはとても親切に音声でいろいろ教えてくれる。
最近、ハンディGPSでも、タッチパネルを採用したコース検索機能が付いた製品が発売された。
今回のツーリングに合わせて導入しようかという提案が松永部員からあったが、残念ながら内蔵電池が4時間ほどしか持たないらしい。
だからいつもの(少し古い)GPSを使うことになったのだが、しかしこれが後でとんでもない結果を生む。
自宅から車を運転してきてくれた松永部員も眠そうだ。
トイレ休憩を兼ねてコーヒーを飲むことにする。
この時点で僕はまだお腹が空いていなかった。
車から出たら、外はとても寒かった。
東名を1時間ほど走って、松田方面の出口に向かう。
自転車で杉並から走ったときは約5時間弱かかったから、やはり車は速い。
(つづく)
◆◆ 加藤直之・浜松いきツーリング フォトレポート003 ◆◆
6時30分新松田駅に到着。
いつもは登山客で賑わう駅も、平日のこの時間は閑散としている。
前回も前々回も駅前での自転車の組立や折畳み作業は、写真向かって左端、交番の前の狭いスペースでできたが、今回は車だから長くは停めておけない。
自転車を車から出し、急いで組み立てる。
前後の車輪を外すと、自転車はこんなに小さくなる。
車輪は車軸を固定するレバーを緩めるだけ。
ワンタッチで外れ、また元に戻すことが出来る。
作業そのものは難しくない。
目の前にある観光案内のポスターやバスの発券所も、田舎風で趣がある。
バッグや水筒、サイクルメーターを自転車に固定し、自分もヘルメットを被り、日焼け止めのアームカバーや手袋を身に付けた。
いよいよ浜松へのロングツーリングに出発である。
(つづく)
◆◆ 加藤直之・浜松いきツーリング フォトレポート004 ◆◆
と、その前に撮影担当の妻を紹介しよう。
妻は僕より写真がうまいし、自転車の長距離ツーリングにも慣れているので適任なのだ。
カメラはキヤノンEOS kissDX。
レンズはEF-S17-85mm F4-5.6 ISUSM(35ミリ判換算で27-136mm)。
手ぶれ補正機能内蔵である。
妻は伴走車のナビも担当する。
今回のコースは自転車が走れないバイパスや幹線道路を避けるため、時には曲がりくねった裏道も使うことになっている。
僕が肩からストラップで斜めに下げているのは、このツーリングのために購入したフジフィルムのコンパクトデジタルカメラF100fdである。
明暗差の大きい風景を撮るのに便利な機能がついているということで選んだ機種である。
自転車用の手袋をしたままで撮影しやすいように、手作りのグリップを両面テープでボディに接着してある。
6時38分。
出発。
(つづく)
◆◆ 加藤直之・浜松いきツーリング フォトレポート005 ◆◆
新松田駅から北に向かう。
正面向こう側、山の裾に沿うように東西に走る国道246号線がある。
真東から延びてきた東名高速は、北からの246号とここで交差し、ここからしばらく東名と246号は、御殿場線や酒匂川に沿うように山中に入っていく。
246への合流地点を目指す。
左折のため左手を水平に横に上げる。
手信号である。
車からもわかりやすい。
左側に電柱などがあって、腕がぶつかりそうなとき(ぶつけると痛いし恥ずかしいから気をつけよう)は逆側の手、右手を肘で垂直に上に曲げて左折の信号とする。
いずれも小学校でも習うルールである。
この手信号を実行するかしないかでドライバーへの心証はかわってくるし、すれば自分の安全に繋がる。
6時42分。
前方に246号の高架が見えてきた。
このまま高架の下をくぐり、左にカーブしていくと、246号に右側から合流することになる。
新松田駅からの走行距離1.2キロ。
巡航速度は時速25〜29km。
若干登り坂。
僅かに追い風。
(つづく)
◆◆ 加藤直之・浜松いきツーリング フォトレポート006 ◆◆
青信号を待って右折。
246号に入る。
246号は、神奈川県と静岡県を結ぶ、いちばん手っ取り早いルートである。
車なら東名高速が246に沿っている。
しかし、高速道路を走れない自転車(や経費を節約したい大型トラック)はここが便利だと本で読んだ。
箱根越えも検討したが、登りが半端じゃなくキツイらしい。
斜度を減らすために道も曲がりくねっている。
結果として走行距離も延びる。
浜松にたどり着けない可能性がある。
そんな246号は、東京からは厚木、秦野盆地を抜け、そしてちょっとした峠を越えたあと、松田付近に出る。
今回自転車でのスタート地点に選んだ新松田駅は246号からは少し南にそれた場所にあり、新松田に用事がなければ、峠を越えた後は道なりにまっすぐ西へ道を下ればいい。
そしてこの庶子交差点を通過する。
それでも標高はまだ少しある。
朝日を背中に浴びながら西へ走る。
道の左側、下に見えるのは松田の住宅街だ。
246号も秦野あたりまでは我が家の周りにいくらでもある街中の幹線道路といった趣だった。
しかし秦野盆地を抜けると、いつの間にか、登坂専用車線まである、ちょっとした峠道へと変わっていた。
普段僕がサイクリングを楽しむ埼玉県の峠道と違って、ただひたすら真っ直ぐな登り坂。
頂上が下から見えるから、目標がわかって励みになるのがいい。
下りでは、「車の数が少なければ」という条件付きだが豪快なダウンヒルが楽しめる。
坂を下りきると、また普通の幹線道路に戻る。
(つづく)
◆◆ 加藤直之・浜松いきツーリング フォトレポート007 ◆◆
走りやすい道が続く。
この写真の後、伴走車は僕を抜いて先に行った。
自転車と車は巡航速度が大きく違う。
よっぽど車が少なければ別だが、この後も伴走車は、
「適当な撮影ポイントを見つけて停車」
↓
「そこで僕を待ち、通り過ぎるところを撮影」
↓
「車に戻り、後ろから追いかけ横を通過しながら撮影」
↓
「しばらく先に行って適当な撮影ポイントを見つけて停車」
の繰り返しである。
7時5分前。
コンビニの駐車場を見つけ、僕を待つ伴走車から妻が撮影した店前の風景。
しかしこの時、僕は別の道を走っていた。
(つづく)
◆◆ 加藤直之・浜松いきツーリング フォトレポート008 ◆◆
事前の調査では、御殿場線沿いの246号は大型トラックが多く、ネットには「自転車で走ってとても怖い思いをした」というレポートも掲載されていた。
そこで、246号に沿って側道がある箇所では、なるべくそちらを走ることにした。
しかし前もって用意し妻に渡した道路地図は静岡県のもの。
県境のちょうどこの辺りは掲載されていなかったのだ。
だから妻は、普通に僕が246号を走っているものと思っていた。
7時10分前。
僕は御殿場線の横、旧市街を走っていた。
朝早いからまったく人通りがない。
御殿場線の山北駅に到着。
この駅には一度来たことがある。
友人に誘われたサイクリングで、待ち合わせ場所に使われたからだ。
つまり、このあたりまでは僕も走った経験があり、側道への道順もよくわかっていた。
ここで妻に電話。
側道を走っていることを伝える。
去年の夏、僕ら夫婦は携帯電話をドコモのFOMA(フォーマ)にした。
今年、携帯電話の家族間通話が無料になった。
もともと僕はサイクリングで使うために携帯電話を買ったのだが、今回ほど役に立った経験は過去にない。
この道の先を左にカーブして御殿場線の線路の上を越えて246号に復帰する。
ゆるやかな登りである。
そしていよいよ恐怖の体験が……。
(つづく)
◆◆ 加藤直之・浜松いきツーリング フォトレポート009 ◆◆
樋口橋交差点で246号に戻る。
何年か前に友人達と走ったときは、樋口交差点をそのまま真っ直ぐ南へ抜け、神奈川県に戻ってサイクリングを楽しんだ。
今回は右折。
ここからは、地図でしか知らない、初めて走る道だ。
しかし、この時、僕は、予定していたコースとは違う道を走っていた。
違っていることに気付かないまま。
7時04分。
奇麗な舗装。
わずかに登り坂。
巡航速度は時速29キロ。
新松田駅からの走行距離7.9キロ。
今回、ハンディGPSに登録した浜松行きのコースは、関連図書を参考にしながら、長年使い慣れた愛用の電子地図を使って作ったものだ。
GPSとの連携もバッチリである。
いや、GPSとの連携が可能だったから使い続けることになった、といってもいいだろう。
パソコンは1995年に買った年代物。
電子地図そのものも2000年版である。
古い。
しかし使い続けているのにはもう一つ理由があった。
この電子地図はこれ以降、ネットで使う方向に商品展開をしていたからである(仕事で使うパソコンはネットには繋いでいないのだが)。
さすがに8年も前の地図では不安もあったので、念のために市販の静岡県の道路地図を買った。
残念なことに246の樋口橋交差点付近は県境のためか詳しく載っていない(後で神奈川県の道路地図も立ち読みしたが、似たようなものだった)。
そこで初心(?)に戻り、愛用の電子地図でもう一度検討した。
246号もこのあたりは、谷の右側に沿ってカーブする比較的走りやすい道に見えた。
じっさい走りやすい道なのだろう。
走っていれば。
でも僕はその道ではなく、樋口橋交差点から真っ直ぐ西へ、左右に曲がる川が流れる谷の真ん中を突っ切るように「電子地図が発売された後に新しく作られた246号」に進入していたのだ。
高架道路である。
距離は短くなるが、周りに民家はない。
歩道もない。
ネットでは「走るのが怖くて最後にはパトカーを呼んで先導してもらい引き返すことになった」という報告まであったという道が、この新しく作られた道であることを、僕はその時点ではまだわからなかったのである。
最初に、ネットでこの報告を読んだときは、さすがに僕も驚いた。
大丈夫なのだろうか?
僕がコースの参考にした本(2005年に出版)には、そんなことはぜんぜん書いていなかったから。
その位置を特定するため、電子地図を繰り返し見ることになった。
トンネルの場所はすぐにわかったが、トンネルを出た後にあるべき橋の位置がわからなかった。
それもそのはず、わからなかったわけだ。
橋とは高架のことであり、高架は僕の地図には載っていなかったのだ。
樋口橋交差点の構造も、新道が旧道を塗りつぶすように大きく作り変えられていた。
普通に走っていると、車は(そして土地勘のない僕は)自動的に新しい高架道路に誘導される。
地図に載っていた246はすでに旧道になっており、そこへは裏道さえ使えば簡単に出られるのである。
しかしこの裏道は、かなり詳細な地図でしかわからない。
この写真のトンネルが、ネットに報告されていた「恐怖のトンネル」らしい。
ここまでは、まだ車の数も少なくて走りやすかった。
車が多ければ、この時点で怖い道だと気付いていれば、最後にもう一度、旧道に逃げるチャンスがあったのだが。
その最後のチャンスとは、上のトンネルの写真付近の新鞠子橋交差点である。
伴走車が撮影した上の写真には交差点は見当たらないから、これは交差点を通過した直後に撮ったのだろう。
グーグルマップでは新道と旧道が、ちょうど「接するような形」になっている。
誰もがわかるような急角度で交わっていたら旧道への交差点であることがすぐにわかったに違いない。
事実、古い地図ではT字路だ。
ここでも新道を真っ直ぐになるように作りかえたことで、 側道へ退避する機会が失われたのである。
そうだ、ここで説明しておく必要があった。
僕は最近、新しいノートパソコンをネット用に購入した。
それまでは仕事場のパソコンと同じように、2000年に購入した古いノートパソコンを使っていた。
このパソコンも年代物で、グーグルマップをみることができない。
今はちゃんと見ることが出来る。
だからこのレポートでもグーグルマップにリンクする形にしてある。
話を元に戻す。
本来なら、新鞠子橋交差点の前後の高架道路には、「自転車走行禁止」の標識を立て、自転車は旧道へ誘導する看板を用意するべきだろう。
現に246号もこの少し西や、これから走る東海道では、そんな箇所がたくさんある。
比較的新しい道路で、道路行政が追いついていないのかもしれない。
このトンネルを抜けるころから、大型トラックに追い抜かれることが多くなってきた。
途中にある信号のせいか、車は団子になって走ってくることが多い。
大型トラックも何故か連続して通過する。
いやそういうふうに感じただけで、実際にはもっと少なかったのかもしれないが。
こうして僕は、まさにネットで読んだ恐怖体験を自分でも味わうことになった。
(つづく)
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